題材について
題材の選定条件:審査請求がされ、拒絶理由通知が出されたが、これに応答することなく拒絶査定が出された案件
例1:審査経過が「審査請求 ⇒ 拒絶理由通知 ⇒ 拒絶査定」
例2:審査経過が「審査請求 ⇒ 拒絶理由通知 ⇒ 意見書/補正書 ⇒ 拒絶理由通知 ⇒ 拒絶査定」
題材:特願2023-095672
出願人:ナイラキャスト リミテッド
代理人:藤田 考晴(ほか2名)(弁理士法人 オリーブ国際特許事務所)
発明の名称:海洋係留連結器
審査記録(最終処分:拒絶)
2023年 6月 9日 審査請求
2024年 4月30日 拒絶理由通知
7月 5日 意見書及び手続補正書の提出
10月 8日 拒絶理由通知(最後)
12月11日 意見書及び手続補正書の提出
2025年 1月 7日 拒絶理由通知
7月 1日 拒絶査定
検討対象:3回目の拒絶理由通知
拒絶理由:36条6項1号(サポート要件)
簡単な概要
第32回及び第33回の題材は「特許事務所のOA応答統計第13回」の事務所から選んでいる。また、この2件は、第30回及び31回と同様に、2回応答しておきながら3回目の拒絶理由通知で権利化を断念しているケースである。
それでは、題材について簡単に説明していく。
本件は、3回の拒絶理由通知を受けているが、ある意味で、踏んだり蹴ったりの拒絶理由通知である。
1回目の拒絶理由通知では、明確性と進歩性の拒絶理由が挙げられ、また、請求項8及びいくつかの請求項では拒絶理由が発見されていなかった。
出願人は、請求項8の発明特定事項を請求項1に盛り込み、一見すると許可対応であったが、少しだけ表現を変えていたことで、2回目の拒絶理由通知(最後)がきて、新規事項追加の拒絶理由が挙げられた。
最後の拒絶理由通知であり、かつ、新規事項の追加という手詰まりのパターンであったが、出願人は請求項を補正し、新規事項の追加は解消したが、今度は3回目の拒絶理由通知がきて、サポート要件違反の拒絶理由が挙げられた。
3回目の拒絶理由通知では、請求項2については拒絶理由が発見されていないとされていたが、出願人は応答することなく拒絶査定となった。
出願時の請求項1及び請求項8、1回目の補正後の請求項1、2回目の補正後の請求項1はそれぞれ以下の通りである。
【出願時の請求項1】
第1の係留ロープと第2の係留ロープとを接続するための海洋係留連結器であって、前記海洋係留連結器は中心コアおよび外殻を含み、
前記外殻がロープ通過表面を含み、
前記中心コアが第1の材料を含み、かつ前記外殻が第2の材料を含み、前記第1の材料が前記第2の材料とは異なり、
前記外殻が外表面を有し、
前記外表面が、前記第1の係留ロープのための第1のロープ通過表面を画定する第1の溝と、前記第2の係留ロープのための第2のロープ通過表面を画定する第2の溝と、前記第1の溝及び前記第2の溝の間に形成され、前記第1のロープ通過表面及び前記第2のロープ通過表面を分離する頂部とを含む、海洋係留連結器。
【請求項8】
前記外表面が、中央溝と2つの外側溝とを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の海洋係留連結器。
【1回目の補正後の請求項1】
第1の係留ロープと第2の係留ロープとを接続するための海洋係留連結器であって、前 記海洋係留連結器は中心コアおよび外殻を含み、
前記外殻がロープ通過表面を含み、
前記中心コアが第1の材料を含み、かつ前記外殻が第2の材料を含み、前記第1の材料 が前記第2の材料とは異なり、
前記外殻が外表面を有し、
前記外表面が、前記第1の係留ロープのための第1のロープ通過表面を画定する第1の 溝と、前記第2の係留ロープのための第2のロープ通過表面を画定する第2の溝と、前記 第1の溝及び前記第2の溝の間に形成され、前記第1のロープ通過表面及び前記第2のロ ープ通過表面を分離する頂部とを含み、前記外表面が、少なくとも1つの中央溝と2つの 外側溝とを含む、海洋係留連結器。
【2回目の補正後の請求項1】
第1の係留ロープと第2の係留ロープとを接続するための海洋係留連結器であって、前 記海洋係留連結器は中心コアおよび外殻を含み、
前記外殻がロープ通過表面を含み、
前記中心コアが第1の材料を含み、かつ前記外殻が第2の材料を含み、前記第1の材料 が前記第2の材料とは異なり、
前記外殻が外表面を有し、
前記外表面が、前記第1の係留ロープのための第1のロープ通過表面を画定する第1の 溝と、前記第2の係留ロープのための第2のロープ通過表面を画定する第2の溝と、前記 第1の溝及び前記第2の溝の間に形成され、前記第1のロープ通過表面及び前記第2のロ ープ通過表面を分離する頂部とを含み、前記外表面が、中央溝と2つの外側溝とを含む、海洋係留連結器。
検討の公開まで
「拒絶理由対応のすすめ」は、実際に検討された上で、記事の詳細を読む方が、スキルアップに効果的かもしれません。まずはご自身で検討してみてから記事を読みたいという方がいることも想定し、具体的な検討の詳細は、記事のアップから期間をあけて、10月9日に公開する予定です。
また、以下の「応答方針の検討」をご覧になる前に、「拒絶理由対応の本質」を読まれることをお薦めします。こちらを読んで頂いた上で以下の記事を読まれる方が、理解が深まると思います。
以下の「応答方針の検討」には、応答方針に至るまでの思考過程と、応答案の概要を載せています。
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