題材について
題材の選定条件:審査請求がされ、拒絶理由通知が出されたが、これに応答することなく拒絶査定が出された案件
例1:審査経過が「審査請求 ⇒ 拒絶理由通知 ⇒ 拒絶査定」
例2:審査経過が「審査請求 ⇒ 拒絶理由通知 ⇒ 意見書/補正書 ⇒ 拒絶理由通知 ⇒ 拒絶査定」
題材:特願2023-155577
出願人:ジャイロスコープ・セラピューティクス・リミテッド
代理人:押野宏、永田豊(SHINSEI特許事務所)
発明の名称:湾曲した針を介する治療剤の網膜下投与のための装置
審査記録(最終処分:拒絶)
2023年 9月21日 審査請求
2024年 5月 7日 拒絶理由通知
7月25日 意見書及び手続補正書の提出
10月15日 拒絶理由通知(最後)
2025年 4月15日 拒絶査定
検討対象:最後の拒絶理由通知
拒絶理由:29条2項(進歩性)
簡単な概要
第28回の題材は、医療機器の分野(化学も入った機械分野)を選んだ。また、今回の題材は「特許事務所のOA応答統計第10回」の事務所から選んでいる)
化学or機械から選ぼうとは思っていたが、その中で本件を選んだ理由は、補正後も同じ引用文献のみで同じ拒絶理由が通知され、権利化を断念したというあまり見ないパターンだったからである。
最初の拒絶理由通知で、29条2項の拒絶理由が通知され、一件の引用文献、国際公開第2015/126694号が挙げられた。
これに対して、出願人は請求項を補正したが、補正後の請求項1に対し、またしても一件の引用文献、国際公開第2015/126694号が挙げられ、29条2項の拒絶理由が通知された。
(同じ文献で同じ拒絶理由が解消しなかったのに、どうして拒絶査定ではなく最後の拒絶理由通知だったのかと不思議に思ったが)折角、引用文献がそのままに最後の拒絶理由通知がきた(もう一回同じ問題にトライするチャンスが与えられた)にもかかわらず、応答することなく権利化を断念したのはどういう理由からなのかが気になったため、本件を題材にすることにした。
補正後の請求項1は以下の通りである。
【請求項1】
(a)本体、
(b)前記本体から遠位に延びるカニューレであって、可撓性であり、患者の眼の強膜と脈絡膜に外傷を与えることなく、前記強膜と前記脈絡膜との間で前記カニューレを前進させることができるように、強膜層と脈絡膜層との間に分離を提供するように構成された遠位端を備え、前記カニューレの長手軸と同軸上に配置された遠位開口部を含み、前記カニューレ内に配置される直線状のインサートを含む、カニューレ、及び、
(c)前記インサートによって形成される内腔内に摺動可能に配置された針であって、
(i)鋭利な遠位先端部であって、前記針が近位位置と遠位位置との間で前記カニューレに対して並進するように構成され、前記針が前記近位位置にあるときに前記遠位先端部が前記カニューレの内側に位置するように構成され、前記遠位先端部は、前記針が前記遠位位置にあるときに前記カニューレの外側に配置されるように構成されている、鋭利な遠位先端部と、
(ii)直線状の近位部分と、直線状の遠位部分と、
(iii)前記直線状の近位部分と前記直線状の遠位部分との間に長手方向に配置されている湾曲部分であって、前記湾曲部分が前記カニューレの内部に位置する間、弾性的に付勢される、前記湾曲部分と、
を含む針と、
を含み、
前記カニューレから遠位に延びた前記湾曲部分の曲率半径が、前記カニューレに配置されたままである部分の前記湾曲部分における曲率半径よりも小さく、
前記針が前記遠位位置にあるときに、前記カニューレの前記遠位開口部から突出するように構成されている、装置。
検討の公開まで
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